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ケルティック 能『鷹姫』とは?
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『鷹姫』あらすじ
『鷹姫』発展の歴史
梅若玄祥と『鷹姫』
ケルティック・コーラス アヌーナについて
原作者W.B.イェイツについて
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日本とケルト
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日本文化とケルト文化

◆異世界の存在 ー 妖精と妖怪
日本とアイルランドは、ともに自然信仰や精霊信仰といった考えを根底に持ち、ユーラシアの西果てと東端 に位置しながらも「神秘」と「幽玄」の世界観を共有しています。
能には異世界の住人(鬼、神、天狗、亡霊など)や人間の怨念、情念などが登場します。ケルトにも共通の考えが存在し、万物に精霊が宿るといった日本の「八百万の神」に通じる自然信仰や精霊信仰が根付いています。これらの神秘性や異世界、そして死との繋がりは、日本の思想や能の表現と非常に似通っています。

◆ハロウィーン
ハロウィーンとはもともとケルトの大晦日の儀礼でした。一年の終わりに、この世とあの世の境がなくなり、異世界から霊や先祖が帰ってくる日とされ、日本のお盆の考え方にもよく似ています。悪い霊にいたずらをされないよう、カムフラージュのために自分たちも異界の存在に仮装する風習が生まれたと言われています。

◆小泉八雲
日本ならではの異世界の物語=妖怪伝承を日本の文学界に復興させたのは、アイルランドで幼年期を過ごした小泉八雲=ラフカディオ・ハーンでした。ハーンは、日本の伝承の中に、アイルランドと同じ異界との繋がりを見ていたのかもしれません。
ハーンは同じく異界との繋がりやケルトの妖精伝承等を表現としていたW.B.イェイツにもシンパシーを感じていたようで、イェイツの妖精詩に対しても最大級の賛辞を贈っています。
また、晩年ハーンはイェイツに宛てた手紙の中で、家族にも語らなかったアイルランドへの愛情を次のように告白しています。

“I had a Connaught nurse who told me fairy tales and ghost stories. So I ought to love Irish things, and do.”
(From a Letter to W. B. Yeats, 24th September, 1901)

“…ダブリンのアッパー・リーソン通りに住み、私には妖精譚や怪談を語ってくれたコナハト出身の乳母がいました。
だから私はアイルランドのものを愛すべきだし、また実際愛しているのです。”

(1901年9月24日. W.B.イェイツ宛て書簡より)

◆小泉 凡(島根県立大学教授・小泉八雲曾孫)応援コメントはこちら