伝承歌
もともとケルト民族は文字を持たなかったため、神官や吟遊詩人などによる口頭伝承で物語が伝えられました。声によって物語や歴史を伝えることを大事にしてきたケルトの文化では、美しい歌の文化が生まれました。アイルランドのパブや家では、シャーンノスと呼ばれる無伴奏スタイルの歌唱が今も世代を超えて歌われ続けています。また、いくつかの楽曲は日本語にも翻訳され、音楽の教科書に掲載されるなど、その郷愁的な旋律は日本人からも愛されています。
日本でよく知られる伝統歌
「蛍の光」Auld Lang Syne
日本では閉店のBGMとして有名なこの楽曲は、古いスコットランド民謡で、現在の歌詞はスコットランドの国民的詩人ロバート・バーンズが書いたもの。もともとは、旧友との再会と思い出を語る内容。
「庭の千草」The Last Rose of Summer
もともとはアイルランド民謡で、原語のタイトルは「夏の名残のばら」の意。日本では小学校の歌唱集に掲載され広く知られているが、なぜか日本語歌詞ではばらではなく菊について歌われている。
「ダニー・ボーイ」Danny Boy
スタンダード・ナンバーとしても世界的に有名な楽曲で、「ロンドンデリーの歌」の別名でも知られる。近年ではこの楽曲を元ネタにしたケルティック・ウーマンの「ユー・レイズ・ミー・アップ」がフィギュアスケートの荒川静香選手の演技に起用され、日本でも爆発的にヒットした。
Danny Boy
You Raise Me Up