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チーフタンズへの推薦コメント
ぼくが本格的にアイルランドの音楽に興味を持ち始めるきっかけはやはりザ・チーフタンズでした。また1990年の初来日公演は画期的なもので、日本でアイリッシュ・ミュージックが定着し出したのはそれからだったのです。50年以上にわたってパディ・モローニ率いるこのユニークなグループはあらゆるジャンルのミュージシャンと心に残る共演を行ってきました。その道のりを簡潔に予習したい方、僭越ながら私が選曲した2枚組の「ベスト・オヴ・ザ・チーフタンズ」はぜひ聞いていただきたいです!
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
彼らの素晴らしさを文字で書くのは竜宮城を絵に描くよりむつかしい。彼らはすべてを持ちながら、何も持っていないかのように清貧に振る舞う。彼らはすべてを知っているのに、無辜の子供のようにはしゃぐ。彼らは何でも表現できるのに、つましく控えめに奏でる。彼らは音楽を愛するように人を愛し、人を敬うように音楽を敬う。重ねてきた日々の途 切れることのない「フラー(FLEADH)=音楽祭」は、酒と笑顔の祝祭であったろう(きっと、今も)。いつ聴いても、エキサイティングで、楽しくて、泣けてきて、笑えて、息をのむ「ザ・チーフタンズ」。モローニが「集大成」と言う今度の来日公演は、行かないときっと後悔する。
川崎浩(毎日新聞)
万里の長城で初めて演奏した西側のバンドはチーフタンズである。130万人もの大観衆を前にローマ法王御前演奏をしたのはチーフタンズである。オマーラ・ポルトゥオンドなどをライ・クーダーに紹介して〈ブエナビスタ・ソシアル・クラブ〉プロジェクトのきっかけを作ったのはチーフタンズである。宇宙船の中にいるNASAの飛行士とのセッションを試みたのはチーフタンズである。
チーフタンズはいつだってトラディショナル・フォークのパイオニアであり音楽冒険家だった。彼らは1962年の結成以来、伝統音楽を狭い囲いから解き放ち、世界に向けて発信し、多くの後続者たちを生んできた。今聴かれているアイリッシュ・トラッドのスタンダード、あるいは標準形を創り出したのは、まさにチーフタンズである。が、彼らは伝統的スタイルにこだわる一方で、同時に、外部への多数の回路を開きながら、フレキシブルな音楽的実験も続けてきた。ローリング・ストーンズからボン・イヴェールに至るロック・スターたちとの共演、ブルーグラス/カントリーとアイリッシュ・トラッドの関係の検証、世界各地のケルト系音楽の発掘と連帯などなど、その功績は枚挙にいとまがない。
開祖にして永遠のチャレンジャー。それがチーフタンズなのだ。
松山晋也(音楽評論家)
なんとなく、嫌な世の中だ。人間の知恵のようなものが試されているような、そんな気さえするほどに。そんなことを漠然と思っていたら、ふと、気がついた。そうだ、チーフタンズがいるじゃないか、と。いま求められているものを、彼らほど備えている人たちはいないじゃないかと。人種だとか国籍だとか、文化だとか宗教だとか、生を隔てるいろんな壁や溝を、彼らはこれまで、ひょいっと飛び越えて手を差し伸べてくれた。それも、軽妙に、洒脱に。そうやって、軽い足取りで、これまで描いてきた彼らの地図の、ほんの微かなシミのようなものでもいいから、それになれるかもしれないと、チーフタンズをまた観に行こうと思う。絶対に行こうと思う。
天辰保文(音楽評論家)
文化遺産というと、なんだか過去のもののように思えるかもしれませんが、チーフタンズの音楽はいまを生きる進行形の文化遺産ですね。時の流れに磨かれた洗練と、土地の精霊に守られたぬくもり。ひょうひょうとした味わいも技術をきわめた人たちならではという気がします。
北中正和(音楽評論家)
半世紀以上にわたり、世界を躍らせてきたパディ・モローニとチーフタンズ。アイルランド伝統音楽の面白さを世界に広めた立役者とされる。さぞかし熱心な研究と緻密な計算の上で音楽を作る人なのだろう…かと思いきや、本人に話を聞けば「もう、音楽が好きで好きでたまらないおじいさん」といった印象だ。「いつの間にこんなに時間が過ぎてしまったのか。なんて素晴らしい音楽の旅だろう」と話したパディさん。あなたが心から楽しんで演奏するから、みんなが笑顔になるのです。まだまだこれからも、僕らを踊らせてくださいませ♪
加藤朗(共同通信社)
初めてチーフタンズのライヴを見たのは1993年、渋谷のパルコSPACE PART3でのこと。ドーナルもアルタンもルナサもダーヴィッシュもシャロンもまだ日本には姿を現していなかった頃だから、彼らの音こそがアイルランドの音だった。さして風采の上がらない中年男たちからにじみ出てくる年輪、風格、ユーモア。当時はまだ旅したことのなかったアイルランドの青い空が会場に広がり、鮮やかな緑が目の前に現れたかのようだった。あれから四半世紀近くが経って、その分パディやマットは齢を重ね、若いメンバーの力も借りるようになったけれど、今年も元気なプレイであの懐かしい空気を運んできてくれるかと思うと、つい頬が緩む。
鈴木茂(アルテスパブリッシング代表)
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