■100チェロとは?
国境を超えて、世代を超えて、キャリアを超えて
音楽を通して世界を繋ぐ
100本のチェロが、音楽と表現の自由を謳い上げる壮大なプロジェクト
「チェロはグループの表現を創造するのにもってこいの楽器なんだ。
チェロは広い音域を持つため、たくさんのことを可能にしてくれるし、
人間の声にもっとも近い楽器と言われているからね」
ジョヴァンニ・ソッリマ
「100チェロ」企画は、世界的な天才・鬼才チェリスト、ジョヴァンニ・ソッリマを中心に、国境、世代、キャリアを超えて100人のチェリストが集い、その場所、そのメンバー、そのときでしか生み出し得ないエネルギーに溢れたチェロ・アンサンブルを披露する創造的かつ革新的なプロジェクトです。
通常のオーケストラのように予め決められた譜面やパートに従ってアンサンブルを構成するのではなく、100人が寝食を共にしながらクリエーションを行うことで、自由な発想と表現欲の赴くままに譜面やパートを作り替えながら、ソッリマのもと芸術性の高いアートへと昇華します。ヨーロッパ各地でも繰り返し開催され、垣根を超えた自由な音楽文化の発信を続けています。
2019年8月、このジョヴァンニ・ソッリマによる「100チェロ」が日本に初めて上陸し、東京/江戸文化の中心地、墨田区のすみだトリフォニーホールにて開催されます。2020年のオリンピックに向け、ソッリマの希有な才能を軸とし、100人のチェロが東京から世界に通じる創造性溢れるアート表現を発信します。
■「100チェロ」の経緯
「100チェロ」企画は、世界の音楽界で名を馳せている破天荒な天才チェリスト、ジョヴァンニ・ソッリマと、エンリコ・メロッツィ により、2012年にローマで立ち上がりました。
もともと、18世紀に建てられた由緒あるローマのヴァッレ劇場が廃墟になっていた様を嘆き、その復活を願って、ヴァッレ劇場の創造的エネルギーを高める企画として、友人のチェリスト、メロッツィと共に、100チェロ企画を発足させたのでした。
ヴァッレ劇場は3年間もヨーロッパ中の演劇、音楽、舞踊のアーティストたちが占拠、演目を創造し、見事に復活を成し遂げました。今ではその復活劇はひとつのカルチャー・モデルとして、ローマのアート・カルチャーの『神話』となっています。
その後、ソッリマは「100チェロ」プロジェクトを発展させ、2014年には、かつて巨匠ロストロポーヴィチが166人のチェリストを集めて行ったベルリンの壁崩落10周年記念公演の理念を継ぐ存在として、「自由」と「音楽文化」を守るというメッセージを込めた第2回公演を開催。その後もブダペストやミラノ、シチリアなど多数の場所で展開しています。
クラシックの演奏家、バロック奏者はもとより、ロックミュージシャン、引退したオーケストラ団員や音楽仲間、更に若者、学生や子供達の参加も歓迎するというふうに、100チェロの門戸はすべてのチェロを奏でる人に開かれています。更に、ヨーロッパでは、国籍を問わず、東欧の音楽家、アジアの音楽家、アフリカのアーティストにもスポットをあて、「世界を垣根なく音楽で繋ぐ」場として、開かれたトポスを作り上げています。