<東京公演によせて>
World Beat 2008開催!
皆さん、お元気ですか。春ですね、ちょっぴりウキウキしますね。
今年、いよいよワールド・ビート第2回を7月にやります!!またまた、凄いですよ。
前回コノノNo1で野音はブッ飛びでしたが、今回はNY+イスラエルの「バルカン・ビート・ボックス(BBB)」にベルギー+モロッコの「シンク・オブ・ワン(TOO) with キャンピング・シャアビ」、そして、スペクタクル音楽集団「渋さ知らズオーケストラ」が出演します。
BBBは昨年ヨーロッパでライブを見て、そのノリノリのステージにびっくり、こりゃ日比谷でやらなくっちゃ、ということで、即決しました。
バルカンの妖艶な臭いムンムン、ヒップホップ+レゲエ/ダブ、ノリノリで踊れて、楽しい、メッチャかっこいい6人バンドです!写真の通り、ヴォーカル&DJ、パーカッション、サックスの3人が中心。踊り、飛び跳ねまくりです。
TOOのモロッコ・ヴァージョンは日本には初お目見え。魔性のモロッコ・トランス・ロックを聴かせてくれます。こちらもノリノリで踊らされてしまいまよ!!しかも今回マラケシュから、グナワの名歌手、アブデルカビール(Abdelkebir Bensalloum)がやってくる。 ナント私たちのリクエストを受けて、日本だけ特別に参加してくれることになりました。全10人編成。
そして、渋さ知らズ。神出鬼没、その人数、もはやわからズ。翌日からはカナダ遠征で、ツアー前日の勢いをつけて、日比谷に大オーケルトラで豪華に登場というわけです。大期待ですねえ。
更には「World Beatの名物セッション」あり!ということで、3つのグループのブラス奏者が入り交じって爆発しそうです。
もう、絶対、観に、踊りにきてくださいね。
プランクトンWorld Beat 企画制作部
<東京公演によせて>
ウ〜ン....(しばし無言)。ただでさえ暑い東京の夏に、これまたなんでこんな熱〜い音楽ばかり集めるかなぁ〜!?(ニンマリ)
ジプシー音楽、サーフ・ギター、砂漠のブルース、プログレ、グナワ、チンドン、ユダヤ音楽、ブラバン、モロッコ、演歌、バルカン、トランス、大所帯、お祭り、前衛、地中海、ジャムバンド、などなどなど、21世紀の世界音楽好きなら誰もが一つや二つ引っかかるキーワードがツマリに詰まったこの三楽団。今回本邦初上陸となるNY在住東欧ユダヤ系超多国籍バンドの「バルカン・ビート・ボックス」、フジロック出演経験も持つベルギーの草の根異文化交流プログレ・ロックバンド「シンク・オブ・ワン」、問答無用唯我独尊の「渋さ知らズオーケストラ」。
世界の夏フェスを制覇する三楽団のライヴに加えて、第四部では三位一体合同セッションまで同時体験を出来るのは地球広しと言えど7月6日の日比谷野音だけ!
サラーム海上(音楽ライター)
<大阪公演によせて>
ロックとワールド・ミュージック。日本の音楽シーンにおいては、そのファン層や楽しまれ方は残念ながら随分と乖離しているように思えてしまうが、実は“遠い”ものではない。例えば、レッド・ツェッペリンのロバート・プラントは、ペイジ&プラント名義の作品でアラブ圏の音楽家たちを起用し、近年も北アフリカの“砂漠のブルース”と総称されているシーンと積極的に交流を深め続けているし、初期ローリング・ストーンズで活躍した故ブライアン・ジョーンズは遺作となったソロ作をモロッコで録音し、ビートルズも後期の作品ではインド音楽へと大きく傾倒したのは、言うまでもないところ。また、自らレーベルを立ち上げて非西欧圏のポピュラー音楽の紹介に力を注いできたピーター・ガブリエルやデヴィッド・バーン、晩年の作品ではかなりワールド色を強めていた元クラッシュの故ジョー・ストラマーや、サンタナ、ライ・クーダー、近年ではトニー・アレンとのユニットを結成して話題を集めたブラーのデーモン・アルバーンなどなど…。ロックやパンク、あるいはジャズの延長線上としてワールド・ミュージックに向かうミュージシャンは少なくないどころか、いつの時代もその境界線上で刺激的な音楽をクリエイトしようとする者こそが最も面白い、と言い切ってしまってもイイだろう。そして、今回は、その音楽の“メルティング・ポット”の最前線に立っていると言える3組がベルギー、NY、そして日本から一同に介することとなった。
まず、NYから待望の初来日となるバルカン・ビート・ボックスは、ラテンやジャズからロック、ヒップホップに至るまで常に世界の音楽シーンを先導し続けてきたNY発らしい無国籍集団。その名の通りに東欧ジプシー・ブラスやクレツマーなどを消化した濃厚なホーン陣に、イスラエル出身のレゲエDJ、ギリシャ音楽からの影響も感じられるエキゾなサーフ・ギター、ブルガリアの女声コーラスやモロッコのグナワなども入り乱れる奔放かつ痛快な闇鍋グルーヴは、様々な人種が集う多国籍都市=NYを今までにない角度からカラフルに体現したもの。すでに欧米の大型フェスにも数多く参戦してジャンルを超えた支持を集めており、そのヒップホップ〜ジャム・バンドを通過した汎地中海ファンクとでも呼ぶべきアクトは、渋さ知らズやスカパラあたりのファンにも体験してブッ飛んで頂きたい。
そして、04年にはブラジル北東部(ノルデスチ)の音楽家との混成プロジェクトで初来日し、強靱なグルーヴでド肝を抜いたベルギー発のシンク・オブ・ワンは、今回はモロッコのローカルな音楽家たちとのユニットでの来日。もともと96年の結成当初からベルギー在住のモロッコ移民とのコラボを行い、マラケシュの音楽家との共演アルバムも3枚残している彼らだが、最新作『キャンピング・シャアビ』ではよりロックやプログレなどとモロッコの伝統音楽の境目を無効化するような境地へと到達し、従来の異種格闘/ミクスチャー的なモノサシでは解析不能なサウンドを提示。ライブ・バンドとしての馬力の強さは前回の来日でも実証済みだが、今回はよりアクの強い共演者たちを引き連れてどう出てくるか? 唯一無比のコスモポリタン・グルーヴに、先入観を捨てて身を任せて欲しい。
さらに、ZAZEN BOYSはワールド的観点から語られることは少ないが、彼らこそ上の両者と共演するに最も相応しい日本のロック・バンドであることは、音を聞けば納得だろう。変拍子の多用やアフロ・ファンク的な要素に、祭り囃子や向井秀徳の口上といった日本的なエレメントを内包した“法被を着たレッド・ツェッぺリン”の圧倒的なまでのオリジナリティを、今回のワールド・ワイドな組み合わせの中で改めて認識してもらえるはずだ。
地元・関西からも、最近のライブではギターを加えた編成やベリーダンサーとの共演などによってグルーヴの強度を増したフレイレフ・ジャンボリーが参戦し、国境を超えたブラスとグルーヴが入り乱れる会場をさらにヒート・アップさせてくれるだろう。
吉本秀純(音楽ライター)
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