この秋冬、焼津にある小泉八雲記念館にて、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンと、アイルランドの国民的詩人W.B.イェイツにまつわる企画展が開催されます。

「幻想がつなぐ日本とアイルランド」というテーマで、両者がアイルランドと日本に見た共通する「異界」「幽玄」の思想を紹介する内容とのことで、2017年にオーチャードホールで開催された「ケルティック能 『鷹姫』」の紹介もあるそうです。

これからアイルランド発祥のハロウィーンの季節。ぜひ、ハーンやイェイツを魅了した妖怪や精霊の幻想世界に旅をしてみてはいかがでしょうか。

「小泉八雲とウィリアム・B・イェイツ 〜幻想がつなぐ日本とアイルランド〜」

開催趣旨   
 小泉八雲(1850-1904)は日本で取材した怪談・奇譚を基に作品を書き上げた文豪として知られていますが、その背景には幼少期の体験が影響しています。八雲が子ども時代に10年ほどを過ごしたアイルランドは妖精などの怪異が多く登場する伝承が残ることで知られており、八雲自身も周囲の大人からそれらの昔話を聞かされていました。
 そんな八雲と同時代人であるウィリアム・バトラー・イェイツ(1865-1939)はアイルランドに生まれ、詩人・劇作家・思想家と多彩な活動をしてノーベル賞まで獲得した、時代を代表する文豪です。彼は民話の収集をアイルランド各地で行い、作品として昇華しました。この世ならざるものに強い関心のあったイェイツは日本の能に興味を持ち、そこから着想を得た戯曲『鷹の井戸』を書き上げました。
 イェイツと八雲の間には、アイルランドでの幼少体験、幻想的な民話の収集とその作品への昇華、日本文化への関心と、いくつもの共通点が挙げられます。本企画展ではそれらの共通点を展示によって明らかにすることで、日本とアイルランドという遠く離れた島国の文化に息吹き、二人の文豪を魅了した「幻想」なるものの一側面をご紹介します。

期間      2021年10月9日(土)−2022/1/18(火)

開館時間    午前9時から午後5時まで

休 館 日   月曜日(※月曜が祝日のときは以後の最初の平日)

会  場    焼津小泉八雲記念館 静岡県焼津市三ケ名1550番地(焼津市文化センター内)

入 場 料    無料

関連事業   ㈰フロアレクチャー(全三回) 令和3年10月23日(土)、11月21日(日)、12月18日(土)
       各回とも午後二時より30分間
            ㈪企画展スペシャルクイズ実施