60〜70年代は、トラッド・バンド「ジョンストンズ」、伝統音楽の革新を推し進めた伝説的バンド「プランクシティ」のメンバーとして活躍。その後、同じ「プランクシティ」のメンバー、アンディ・アーヴァインとコンビを組み『アンディ・アーヴァイン&ポール・ブレイディ』、78年に初のソロ・アルバム“WELCOME
HERE KIND STRANGER”と、歴史的な傑作アルバムをリリース。この2作はシンガーとしてだけでなく、ギタリストとしてのポールの実力を広く認識させた。その一方で、フィドル奏者トミー・ピープルズやチーフタンズのマット・モロイらとの伝統音楽のセッションに意欲的に参加し、アイルランド伝統音楽シーンに大きな足跡を残している。
80年代以降はロック・ミュージシャンに転向。現在までに8枚のコンテンポラリーなサウンドのロック・アルバムを発表し、いずれも世界的に高い評価を得ている。また、名曲を数多く書いており、ボニー・レイット、ジョー・コッカー、ティナ・ターナー、フィル・コリンズ、デヴィッド・クロスビー、ポール・ヤング、モーラ・オコンネルなど、多数のポピュラー系アーティストがこぞってカバーしている。更に、エリック・クラプトン、マリアンヌ・フェイスフル、メアリー・チェーピン・カーペンター、マーク・ノップラーらの作品に参加・共演するなど、大物ミュージシャン達から絶大な支持を得ている。
昨年10月には、ダブリンの“Vicar St.”というホールで1ヶ月間連続コンサートを行い、全公演を完売(16,000人を動員)させ、大きな話題を集めた。その公演は、ドーナル・ラニー、リアム・オフリン、アンディ・アーヴァインなど、ポールの古くからの仲間でありケルト音楽の重要ミュージシャンたちによる特別バンド「リバティ・ベルズ」をバックにした伝統音楽の公演、アコースティック・ギターを片手にソロ弾き語りの公演、自らのバンドを率いてのロックの公演、と、毎日違う内容のプログラムで、ゲストには、ボニーレイット、アルタン、シニード・オコナー、ホットハウス・フラワーズ、マーク・ノップラー、シャロン・シャノン、ブライアン・ケネディなど毎回違ったシークレット・ゲストが出演した。まさに彼のデビューから現在までの音楽の集大成で、この公演でポールは60曲以上のレパートリーを演奏し、多くのアイルランドの人々が彼の数多くの名曲に酔いしれたという。
▼来日記録:2002年9/1「アルタン祭り」に出演 渋谷公会堂
9/3「ポール・ブレイディ単独公演」渋谷クラブクアトロ
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