前回のアルタン祭りで彼らの演奏を生で聴いたのは多分４回目ぐらいだったと思いますが、聴くたびにそのスケ−ルの大きさが増すことに感心します。アイルランド人ですから、人間としての素朴さはいうまでもないですが、その演奏力には圧倒されます。テレビ用に収録したその時のライヴを実際に番組で紹介するために編集することになったら、切るところがなくて大いに困ったのをよく覚えています！
　前回はバスク、ル−マニアの強者同士との合体イヴェントだったのに対して、今度はアイルランド尽くしになります。また、アルタンと同様にアイルランドの伝統音楽をバネに新たな自分の世界を築いていく人たちばかりのライン・アップなのでかなりの充実ぶりが予想されます。シャロン・シャノンは去年のウッドチョッパ−ズの超ごきげんなライヴはまだ記憶に新しいですが、ミュ−ジシャンとしてだけでなく、優れたパフォ−マ−にもなった彼女のアコ−ディオンを、今度はヴェテラン新人(?)のデジ−・オハロランとの共演で聴くのがまた楽しみです。ソングライタ−としての評価も高いポール・ブレイディはアルタンの故郷、ドニゴールに隣接する、北アイルランド・ストラベーン出身。歌手として時々ヴァン・モリソンを彷彿させるところもありますが、ジャクソン・ブラウン辺りにも通じる雰囲気を持っています。トラディショナルの歌を歌うときもまた格別の味わいがあるので、ライヴで聴けるのが嬉しい！ぼくはフォ−・メン・アンド・ア・ドッグも初めて観ることになります。去年来日したカハル・ヘイデンのフィドルには驚くほどの個性とパワ−があったのでそれだけでも十分の魅力ですが、このグル−プの多様さと旨さを考えると相当期待できそうです。どう見ても司会者だけが迫力負けだ！どうしよう..........

ピーター・バラカン