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再びライヴを観たいと最近無性に思っていたルナサは、ぼくの感覚で言うとトラディショナル・ミュージックを理想的な形で現代に生かすグループです。地道に職人っぽく、アイルランドの音楽を拡大解釈する彼らの見事な演奏に、今年のケルティック・クリスマスで久々に出会えるので実に嬉しいです。インストルメンタルな彼らのフィドルやパイプは十分歌っているのですが、人間の声が聴きたい方にはこれまた「恐れ入りました」と頭を下げる他ないポール・ブレイディも来ます。根っからのアイリッシュマンでありながら、ジャンルに束縛されないシンガー・ソングライターとしての活動を続ける彼の曲にはやはり職人の技が感じられます。今回は「職人」が隠しテーマかも知れません。アメリカから参加するティム・オブライエンとダーク・パウエルは二人ともアイルランドの音楽をルーツとするフォークやブルーグラスの世界で活動し、それぞれ多くの弦楽器を、やはり職人らしい巧みなタッチで駆使します。これだけ充実したコンサートは客席で観るべきですから、司会を引き受けるんじゃなかったな....(ピーター・バラカン)
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