本作で実現しているサウンドは、単にアフリカらしい音源をサンプリング/エディットしてダンサブルなビートに乗せただけの作品などとはまったく次元が違う。ワールド・ミュージック、クラブ・ミュージック、オルタナティヴ・ロックなどのあらゆる音楽に精通し、自身も優れた音楽家でもあるマルクとヴァンサンが中心になって運営するクラムドだからこそ、コノノは本作で見事に新たな境地へ到達できたことも付記しておきたい。本作でバティーダとともにより進化したサウンドを築き上げたことで、再びアフリカ音楽の歴史を更新した。
(吉本秀純/解説より)