音楽大国として知られる、アフリカ・コンゴ民主共和国のリケンベ(親指ピアノ)グループ。
1969年頃にマワング・ミンギエディ(33年生)によって結成される。88年に仏のレーベル"オコラ"から出たオムニバス盤に今とほとんど変わらない演奏が収録されているが、戦争によってオリジナルメンバーのほとんどが行方不明に。その後、ミンギエディが自分の息子や孫を参加させてバンドを再生した。先祖伝来の音楽を、手作りの金属製親指ピアノにエレキギターのようにアンプにつなぎ、音を増幅しているのが特徴。この電気親指ピアノをはじめ、自動車部品の磁石を使ったマイク、車のホイールを改造したメタル・パーカッション、50年代のラジオ放送で使われていたスピーカー、アンプを動かすバッテリーなど全てジャンク品からの手作り。騒音の多い首都キンサシャから音を天国の祖先に届けるため音をラウドに増幅していった結果、コンゴとアンゴラの国境地域に住むバゾンバ族の伝統音楽が、誰もを踊らせる爆音トランスとなって生まれ変わった。
77年にラジオでコノノの音楽を偶然聴いてその音に惚れ込んだのが、ベルギーの先鋭レーベル"クラムド・ディスク"のヴィンセント・ケニス。2002年、4度目のコンゴ共和国訪問でついにメンバーと出会い、録音を行った。このアルバム「コンゴトロニクス」が瞬く間に世界中で熱狂的な支持を受ける。
2006年夏に初来日し、日比谷野外音楽堂、六本木ヒルズアリーナ、トランス系野外フェス「メタモルフォーゼ」を含む全9公演を行った。
2007年にリリースしたビョークのアルバム『ヴォルタ』に参加、NY公演にもゲスト出演し話題に。
ライヴ盤『ライヴ・アット・クルール・カフェ』(2006年)でグラミー賞にノミネート。最新作は『アシューム・クラッシュ・ポジション〜墜落時体勢を取れ!!』(2010年)。