● 4年もの活動休止期間を経て、クインテットからトリオになってしまったホットハウス・フラワーズ。5年振りの新作アルバム『ボーン』を聴けば、ストリングスやリズム・マシーンを大胆に導入して、実にモダンでスケールの大きなサウンドを披露している。そしてそのゴージャスなサウンドに乗せて、リアムはこれまで以上にソウルフルに歌い上げている。これはちょっと意外な展開だった。トリオになって、より素朴でトラッド調の路線に進むのかと思ったら、彼らはまったくその逆に出たのだ。
そして早くも決定した5年振りの来日公演(まるで夢のよう)。ライヴもアルバムの路線で行くのかと思ったら、今回は3人だけのアコースティック編成で自由なセッション風演奏で迫るとのこと。これもまた意外な展開だ。しばらく活動を休止していたとしても、彼らの身上と言えるこの柔軟さは、少しも失われていない。
ホットハウス・フラワーズがこんなにもしなやかな動きができるのは、彼らがどこよりもしたたかなバンドだからこそ。この逞しさ、そして美しさ、まさにワイルドウッド・フラワーのようだが、そんな彼らが温室育ちのひ弱な花を意味するバンド名を名乗り続けているというのが、何とも面白い。(中川五郎)
● トラッド的潤いとゴスペル的熱情が合体したあのサウンドが帰って来る。しかも原点回帰的アコースティック編成だなんて!!(レコード・コレクターズ編集長 寺田正典)
● 6月にグラストンバリーで見ました。歌うことが楽しくて仕方がないといった表情に感激。5年の休息は間違いではなかったようです。見逃せません。(花房浩一)
● 器用じゃないかもしれないけれど、信頼感のある歌と演奏。ホットハウス・フラワーズのそんなところが好きです。(北中正和)
● 軸のぶれない太い表現。人の心にズバッと入り込む大きな音の粒子。人間を信用している音楽。(ミュージック・ライフ編集長 森田敏文)
● コステロやボノがよくやる、ソウルフルな歌声の端々に口ずさむさり気ない鼻歌カバー探しは、彼らのライヴの隠れた楽しみです。(FM802 古賀正恭)
● 変化することも、しないことも、すべては彼らの信念に基づいているのだと実感できる“迷いのない音楽”。(赤尾美香)
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