(株)プランクトン

E-mail:
info@plankton.co.jp

Hothouse Flowers
ホットハウス・フラワーズ来日公演1998

リアム、スティーヴ・クーニーと来日(2000年10月)

リアム、ソロ来日の様子(99年9月)


リアム・オ・メンリィ(ヴォーカル/キーボード/ボーラン)
Liam O'Maonlai
       
フィアクナ・オブレナン(ギター/ブズーキ)
Fiachna O'Braonain

     
ピーター・オトゥール(ギター/ブズーキ/ベース)
Peter O'Toole

CITY

DATE

VENUE
Toyko 1998/10/23(fri)20:00 ラフォーレ原宿 公演終了
コンサート・レポート
1998/10/24(sat)18:00
Osaka 1998/10/21(wed)19:00 心斎橋クラブクアトロ

● 4年もの活動休止期間を経て、クインテットからトリオになってしまったホットハウス・フラワーズ。5年振りの新作アルバム『ボーン』を聴けば、ストリングスやリズム・マシーンを大胆に導入して、実にモダンでスケールの大きなサウンドを披露している。そしてそのゴージャスなサウンドに乗せて、リアムはこれまで以上にソウルフルに歌い上げている。これはちょっと意外な展開だった。トリオになって、より素朴でトラッド調の路線に進むのかと思ったら、彼らはまったくその逆に出たのだ。
 そして早くも決定した5年振りの来日公演(まるで夢のよう)。ライヴもアルバムの路線で行くのかと思ったら、今回は3人だけのアコースティック編成で自由なセッション風演奏で迫るとのこと。これもまた意外な展開だ。しばらく活動を休止していたとしても、彼らの身上と言えるこの柔軟さは、少しも失われていない。
 ホットハウス・フラワーズがこんなにもしなやかな動きができるのは、彼らがどこよりもしたたかなバンドだからこそ。この逞しさ、そして美しさ、まさにワイルドウッド・フラワーのようだが、そんな彼らが温室育ちのひ弱な花を意味するバンド名を名乗り続けているというのが、何とも面白い。(中川五郎)

● トラッド的潤いとゴスペル的熱情が合体したあのサウンドが帰って来る。しかも原点回帰的アコースティック編成だなんて!!(レコード・コレクターズ編集長 寺田正典)

● 6月にグラストンバリーで見ました。歌うことが楽しくて仕方がないといった表情に感激。5年の休息は間違いではなかったようです。見逃せません。(花房浩一)

● 器用じゃないかもしれないけれど、信頼感のある歌と演奏。ホットハウス・フラワーズのそんなところが好きです。(北中正和)

● 軸のぶれない太い表現。人の心にズバッと入り込む大きな音の粒子。人間を信用している音楽。(ミュージック・ライフ編集長 森田敏文)

● コステロやボノがよくやる、ソウルフルな歌声の端々に口ずさむさり気ない鼻歌カバー探しは、彼らのライヴの隠れた楽しみです。(FM802 古賀正恭)

● 変化することも、しないことも、すべては彼らの信念に基づいているのだと実感できる“迷いのない音楽”。(赤尾美香)


1988年にアルバム・デビューしたダブリン出身のロック・バンド。看板アーティスト、リアム・オ・メンリーの黒人のソウル・シンガーを思わせるヴォーカルを核にして、独自の"アイリッシュ・ソウル・ミュージック"を展開した。R&B、ゴスペル、カントリー、フォーク、そして、アイリッシュ・トラッドなどのルーツ・ミュージックをブレンドしたスケールの大きな彼等のサウンドは、アイルランド、イギリスをはじめヨーロッパ、日本で絶大な支持を得た。

幼い頃からゲール語を学び、民族楽器に親しんできた彼等は、ゲール語学校の在学中にリーダーのリアムを中心にバンドを結成し、U2のボノが設立したインディーズ・レーベル「マザー・レコード」からデビューした。その後メジャー・レーベルの激しい争奪戦の末、期待の大型新人として、1988年にイギリスのレーベル「ロンドン」からデビュー・アルバム『ピープル』をリリース。このアルバムはたちまちアイルランド、イギリスをはじめ、ヨーロッパ、そして日本でも大評判を呼んだ。また、精力的なツアー活動も行い、ライヴ・バンドとしても評価を高めていき、デビューして1年足らずで万規模の大きなコンサート会場を満員にするほどの大きな存在になった。90年に2nd・アルバム『ホーム』、93年に3rd・アルバム『ソングス・フロム・ザ・レイン』とバンドの成長を感じさせる完成度の高い作品をリリースし、ますますファンを増やしていった。また、リアムをはじめとするメンバーはインディゴ・ガールズ、ミッシェル・ショクト、ティム・フィン、シャロン・シャノン、アーカディ、ランキン・ファミリーなどのアルバムに参加するなどグループ以外の活動も活発に行った。そんな中、リアムは自分の音楽活動をもう一度原点に帰って見つめ直すために、一時バンド活動の停止を決意し、充電期間に入る。その間、リアムは元クラウデッド・ハウスの「ティム・フィン」、ベルファストのシンガー・ソングライター「アンディ・ホワイト」と3人で「ALT」というユニットで活動した。またドーナル・ラニーをはじめとする数多くのトラッドのアルバムに参加し、96年8月にはドーナル・ラニー・バンドのゲスト・アーティストとして来日を果たす。フィアクナ、ピーターは、ミッシェル・ショクトなどのツアー・メンバーとして活動しながらも、ホットハウス・フラワーズの復活に向けて、曲を書いていたそうである。

世界中でアイルランド音楽が認識され、再活動の要望の声が高まる中、バンドは96年後半にオリジナル・メンバー、リアム、フィアクナ、ピーターの3人編成で活動を再開。今年1998年6月には、期待の新作『ボーン』をリリースし、新たな展開を見せる。また、今年7月には、ローリング・ストーンズのドイツとスペイン公演でオープニング・アクトをつとめ、復活をアピールした。


『People』 January 1988 London Records
『Home』 June 1990 London Records
『Songs From The Rain』 March 1993 London Records
『Born』 June 1998 London Records (邦盤 PolyGram)