本作『セイクレッド・アース』は、シャロン・シャノンの10作目となるスタジオ・アルバム。言わずと知れたアイルランドの国民的人気アコーディオン奏者が多数のゲストを招き、アフリカや中東音楽からブルース、カントリー、レゲエ、ヒップホップ、さらにはクラシックの要素までを幅広くブレンドして創りあげた、新境地の1枚だ。
実はここ数年、彼女は、ポール・サイモンが南アフリカのミュージシャンと強力して制作した『グレイスランド』(1986)のようなアルバムを自分でも作ってみたいとアイデアを温めていたという。未知の音楽をミックスすることで新鮮なヴァイブを取り込み、停滞しがちなトラッド音楽を更新したい──。
強力なサポーターを得た本作『セイクレッド・アース』は、総勢25名ものゲスト・ミュージシャン/シンガーを迎え、世界のさまざまな音楽とアイリッシュ・トラッドのエッセンスが混ざり合い新たなグルーヴを奏でる、パワフルなアルバムになった。
大谷隆之/解説より