本作は『ケルティック・ハープ・イン・ブルー』(02年)に続く2作目となるマッケイの07年発表のソロ・アルバムだが、大きく手触りが変化していることに驚く人も少なくないだろう。繊細さや瀟酒な感じは受け継ぎつつ、より現代的に大胆に。ケルト/スコティッシュ色からより離れているとも、指摘することができるだろう。いろんなストーリーや揺れや跳ねや刺や機微を持つ、伝統と繋がりつつも大きく飛躍する意思を持つ、オルタナティヴなアコースティック・ミュージック。ここにはまさしく、<スコティッシュ・ハープを中央に置く、コンテンポラリーなフォーク・ミュージック>が見事に提示されている。
(佐藤英輔/ライナーより)
カトリオーナ・マッケイ
スコッティシュ・ハープ奏者。スコットランド出身。幼い頃から伝統音楽に親しみ、ケルティック・ハープ、ペダル・ハープなどを学ぶ。ロイヤル・スコッティッシュ・アカデミー・オブ・ミュージック、ロイヤル・ノーザン・カレッジ・オブ・ミュージックを卒業。ハープ奏者として、ソロで活動する傍ら、スコットランドのトラッド・バンド「フィドラーズ・ビド」のメンバーとして活動。また、同バンドのフィドル奏者、クリス・スタウトとコラボレーション活動も精力的に行っている。その他、フィルム音楽を手掛けたり、スコットランドとブラジルとのミュージシャンとのプロジェクト“オーケストラ・スコットランド・ブラジル”のメンバーとしても活動するなど、ソロのハープ奏者として活躍。これまでに、1stソロ・アルバム『ケルティック・ハープ・イン・ブルー』(2002)、クリス・スタウト(フィドル)の共作アルバム『レアブラック』(2006年)を発表。2005年にクリス・スタウトと共に初来日。2006年にフィドラーズ・ビドのメンバーとして来日した。
*オキャロラン・インターナショナル・ハープ・フェスティバル優勝
*アソシエイションズ・ヘルプマン賞受賞(2002年)
*スコティッシュ・フォーク・アワード:ベスト・ライヴ・アクト受賞(2003年)
*仏・ジャケ・フランソワーズ国際ハープ・コンクール優勝(2004年)
*スコッツ・トラッド・ミュージック・アワード・年間最優秀プレイヤー(2007年)