モリアーティの音楽はひとことで言うと、「1930年代頃のアメリカの中西部、南部の片田舎から、あるいは、ヨーロッパの色褪せたキャバレーから抜け出たような音楽」である。
アメリカン・ルーツ&カントリー、戦前のブルース&ジャズ、アイリッシュ・トラッド、クルト・ワイル的キャバレー音楽を、歌とアコースティック楽器で演奏する。そういうバンドは他にもありそうだけど、そんな音楽に彼らの愛する「不思議の国アリス」「オスカー・ワイルド」「フラワー・ムーヴメント」「デヴィッド・リンチ」の世界も加わっているから、モリアーティは唯一無二の奇妙な魔力に満ちているのだ。しかも、数千人の大ホールでも、まるで路上演奏のように親密に奏でるというチャーミングなバンドだ。
もうひとつ、モリアーティの音楽を特徴づけているのは、彼らが作り話を愛し、創造することだ。
メンバーは、歌姫1人に兄弟4人、アメリカ、ペルー、ベトナム、フランス系など雑多な国籍背景を持つ5人組にシカの頭。
バンド名がビート・ジェネレイションのバイブル、ジャック・ケルアック著の「路上」の主人公名から、そして「シャーロックホームズ」に登場する悪の天才モリアーティに因んで付けられてことからも想像されるように、さらに、メンバー全員(スタッフも)がモリアーティ姓だったり、剥製のシカをメンバーとして常にステージに同行させたり、アルバムのブックレットに深遠な謎解きをしかけたり、と、人を食ったような洒落っ気を見せる。
モリアーティは、謎めいた話を夜な夜な語る小楽団なのだ。
旅する架空のバンド、モリアーティの世界にようこそ。
モリアーティのアルバム「不思議の国のモリアーティ」全曲がレコ チョクの「着うた(R)」になりました。(1曲105円)
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問)レコチョク
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