1987年アイルランド・ダブリンで結成。アイリッシュ・トラッド/ケルトをベースに、アフロ、ジプシー、カリブ、ファンク、レゲエ、ラテン、銀河系…様々な音楽をゴッタ煮して、破天荒でサイケデリックでプログレッシヴなグルーヴを聴かせ、人気を獲得。『ルナパーク』(2004年)以降4年ぶりのキーラ単独の新作となる本作は、ライヴで鍛えられ練りに練られて録音した新曲の数々を収録。キーラ・グルーヴはさらに進化する。
ここにはあるのは前作『ルナパーク』以降のキーラ、もう一歩先の居場所を手にしてしまった彼らならではの、飛躍や折衷の感覚、スピード感やビート感がしっかりとある。バルカン風味の新機軸曲やブラジルのサンバのリズムを巧みに応用した曲があるなど新しい引出しも散見されるし、詰め込んだ情報量は今作のほうが多いかもしれない。今回の彼らは前作より“引き算”もしていて 、より自然体で、おおらかで、情緒に富んでいて、歌心に満ちている。前作で獲得した“突出”がメビウスの環で過去のキーラ表現とつなげられたのが今作であるのだ。(佐藤英輔/ライナーより)