今年のカニサレスはすごいぞ!

今回の来日は前回2015年以来の3年ぶり。今回は、セカンド・ギタリスト、フラメンコ・ダンサー2人(カホンとパルマも担当)に、シンガー(カンテ)が加わった新クインテット編成。これぞ、完璧なフラメンコ・ユニットと言えよう!

カニサレス音楽には品がある。
それは、ヨーロッパの貴族社会が創ってきた音楽の品格と言えるような気品なのである。
一言で言うと、それがこれまでのフラメンコのアーティストとの格別の違いだ。
だからこそ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のゲストにも、あまたのギタリストたちの中からカニサレスが共演者として選ばれた理由のひとつではないかと思う。サイモン・ラトルを唸らせた完璧な演奏。それはテクニックと感性の調和である。

この品格はどこから生まれたのだろうか。
そもそも、フラメンコはご存知のとおり、インドから放浪の旅をしたジプシーの音楽家たちがスペインのそれまでの伝統音楽と融合し、発展してきた。ジプシーたちは、アラブ諸国を経て、ルーマニアやハンガリーなど東欧を経て、ある者はそこに定住、ある者は幌馬車で延々と流浪し、遂にはイベリア半島の最南端、セビージャに辿り着いた。その地をフラメンコの拠点とし、あのパッションある魂の叫びを生み出した。幌馬車を囲み演奏するフラメンコの音楽家たちはみな、譜面から音楽を学んだのではなく、耳から覚え、生活の中から音楽の技術と感覚を鍛えたという伝統背景を持つ。

一方、カニサレスはパコ・デ・ルシアに長年重用されたトップのフラメンコ演奏家であり、フラメンコのパッションと強力なリズムを源泉にフラメンコのスーパーギタリストとして最大の評価を得つつも、さらなる美しい音色を追求し、クラシックも獲得し、オーケストラの譜面も書くという、いわば、両刀つかいなのだ。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と共演した際、カニサレスは3ヶ月かけて準備し、オーケストラの全楽器の譜面もすべて習得し、体で覚えたそうな。ベルリン・フィルと共演したフラメンコ・ギタリストはカニサレスを置いて他にいない。

品格と激情、そこから生まれるカニサレスのフラメンコは、今まで、誰もアプローチしてなかった孤高の、優美でたくましい音楽なのである。新作「洞窟の神話」に聴く美しさと力強さ。
今年のカニサレス・フラメンコ・クインテットの舞台は新しいフラメンコの境地を切り開く!是非体験してほしい!

(株)プランクトン 川島恵子

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