●本作の聴き所
本作の主人公はまさにヴァイオリンで、その音色には切れ味と温もりとどちらの要素もあり、ハウゴーの音楽家としての熱い心を感じさせる見事な演奏である。参加ミュージシャンの多彩さも魅力だ。ちなみにハウゴーの用いているヴァイオリンは1760年製、ドイツのミッテンヴァルトのクロッツ・ファミリー製作によるもの(公式サイトによる)。ハウゴーは作曲家としてもオーケストラとヴァイオリンのための協奏的作品「Birth」を発表するなど、その実力はデンマークでは既知のものとなっているが、このアルバムでのオリジナル楽曲の素晴らしさも格別である。(7)から(9)にかけての伝統音楽が、オリジナル曲との同質性を持っていることも興味深い。なお(13)と(15)ではハウゴーはヴィオラを演奏しており、いっそう深みのある弦の響きを聴かせている。その点も、ぜひ味わっていただきたいと思う。
(林田直樹/ライナーより)
トラッドの凄腕フィドラーと言えば、アイリーン・アイヴァース、クリス・スタウト、デニス・カヒルなどがいますが、このハラール・ハウゴーもこの中に入るべきアーティストだと思う。ハウゴー&ホイロップの活動からソロ活動となって、彼の才能はますます開花したと思います。バックのミュージシャンもかなりクオリティが高く、ハラールを盛り上げています。このハラールの1stソロ・アルバム『バーニング・フィールズ』は近年のフィドル音楽の傑作だと思います。早くも次作が楽しみ!
(P太郎)