ここで聞く事ができる曲調や楽器音/肉声の重なり等はまさにフェラ直系、本流というに相応しいもの。フェラの息子というとフェミ・クティ(1962年生まれ)がいるが、シェウン(1983年生まれ。やはり子供のころからフェラのライヴに加わったという)は兄以上に父親が提出したアフロ・ビート表現の変わらなくていい本質を受け継ぎ、胸を張って押し出そうとしているように思える。曲名を見ても察せられるように、ナイジェリア〜アフリカの問題を啓発しようとする姿勢もまた父親のそれを引き継ぐもの。シェウンはおおらかに父親世代の財産を引き継ごうとしている。
(佐藤英輔/ライナーより)