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モリアーティ MORIARTY

●歌姫1人、兄弟4人の5人組。1999年結成。メンバー全員、モリアーティの姓を名乗る架空のファミリー・グループである。

●コンセプトは、架空の放浪バンドによる、30年代〜50年代のポピュラー音楽。

●フランスを拠点に活動。ダブリン波止場、刑務所、精神病院、フランス国営テレビ、トスカーナの廃城、大西洋横断航路の船上、夜行列車、パリの路上、さまざまなコンサートホール、バー、クラブなどでどこでも演奏し、ライヴ・バンドとして人気を獲得する。

●1stアルバム『不思議の国のモリアーティ』は、フランスで発売と同時にゴールド・ディスクを獲得。

バンド名は、ビート・ジェネレーションのバイブルと言われる、ジャック・ケルアック著の小説『路上』の主人公ディーン・モリアーティ、または英探偵小説『シャーロック・ホームズ・シリーズ』に登場する悪役のジェームズ・モリアーティ元数学教授に因んで付けられたとか。


ローズマリー・モリアーティ
ROSEMARY MORIARTY

担当:ボーカル、木琴、親指ピアノ、スプーン、タンバリン、スコッチテープ、トランペット etc.

米オハイオ州出身。フォーク・ミュージシャンであるアメリカ人(オハイオ州)より、幼い頃から数百曲のアメリカの歌を教わった。クラシック音楽とオペラの歌唱も幅広く学ぶ。アルチュールと共に子供たちの為にワークショップを開く。

ズィム・モリアーティ
ZIM MORIARTY

担当:ダブルベース、アコースティックギター、オルゴール、スーツケースドラム。

ベトナム人とスイス人のハーフ。子供の頃、飛行機エンジンの轟音に低音域の魅力にハマり、ベースを弾き始める。ピアノとクラシックの教育を受けているが、英ロック・バンド、ザ・キュアを愛聴して音楽のすべてを学んだという。建築家、舞台道具のデザイナーでもある。

シャルル・モリアーティ
CHARLES MORIARTY

担当:エレクトリックギター、ドブロ・ギター

ペルーのリマで生まれ育ち、最初に手にしたのは南米アンデス地方の民族弦楽器チャランゴ。その後、「三文オペラ」のブレヒト的な雰囲気に魅了されて、薄汚れたドブロとエレクトリック・ギターでその雰囲気を再現して来た。トレジャー・ハンターのために宝探しを企画する会社の社長でもある。

アルチュール・モリアーティ
ARTHUR MORIARTY

担当:アコースティックギター、スーツケースドラム、ピアノ

幼なじみのトマのハーモニカの伴奏をするため、ギターを始める。20歳でヨットによる大西洋横断中にギター演奏の魅力を知る。トマと共に西アフリカとミシシッピー州北部を旅したときに本格的にギターを学び、西アフリカではアリ・ファルカ・トゥーレと共演、ミシシッピーではR.L.BOYCEに師事している。

トマ・モリアーティ
THOMAS MORIARTY

担当:クロマチックハーモニカ、ダイアトニックハーモニカ、カズー、ボーリングマシーン(訳注:地面に垂直に穴を掘る「ボーリング」作業で使われる重機)、ジューズハープ(口琴)

子供の頃に、祖父にもらったハーモニカから音楽人生が始まる。独自でユニークな演奏方法を生み出し、ハーモニカでバンドネオン、猫の鳴き声、アイリッシュ・フィドル、セミオートマシンガンなどの音も表現できる。

ジルベール・モリアーティ
GILBERT MORIARTY
一見、剥製の鹿の頭にしか見えないが、実はバンドの秘密メンバーである。陰で糸を引いているのは彼だという噂もある。コンサートでは舞台セットの屏風に飾られたり、ローズマリーに抱っこされている。
モリアーティの世界

●1930年〜1950年代のアメリカの音楽。
ジャズ、戦前ブルース、ジャグ・バンド、ブルーグラス、フォーク、カントリーなどが、モリアーティの音楽のルーツだが、モリアーティのコンセプトは「どこにもない架空のアメリカ音楽」。

●1930年代 ドイツのキャバレーの雰囲気。
ローズマリーの歌は、どこかしらマレーネ・ディートリッヒ(映画『嘆きの天使』)を思わせる。シャルルのドブロの音は、ミュージカル「三文オペラ」の雰囲気を作り出している。

●小説『不思議の国のアリス』
ルイス・キャロル著の児童文学。1865年出版。
<白ウサギを追いかけて、人間の言葉を話す動物やトランプの形をしている人間が住む>不条理なファンタジーの世界に迷い込んだ少女アリスの物語。ヴォーカルのローズマリーは、不思議バンド「モリアーティ」に迷い込んだアリスか?

●デイヴィッド・リンチ
リンチ監督が映画で描くアメリカの片田舎は、精霊や妖精や魔物が住む摩訶不思議な世界。森をバックに撮影したモリアーティの写真には、メンバーと一緒に謎の怪物(?)が写っている。モリアーティはリンチ・ワールドにも通じる。

●ビート・ジェネレーション(ビートニク)
N.Y.を活動する作家、ジャック・ケルアック(『路上』1957年)、アレン・ギンズバーグ (『吠える』1965年)、ウィリアム・バロウズ (『裸のランチ』1959年)らを中心としたグループのムーヴメント。50年代後半から70年代前半にかけて米国の若者文化に大きな影響を与え、特にヒッピーから熱狂的な支持を受けた。

●小説『路上』(原題:On the Road)
作者自らの放浪体験を元に書き上げた自伝的内容の小説。ビート・ジェネレーションの傑作。モリアーティのバンド名は、主人公「ディーン・モリアーティ」に因んで付けられたという。いつも旅する“架空の放浪バンド”というモリアーティのコンセプトにも多大な影響を与えている。

●探偵小説『シャーロック・ホームズ・シリーズ』
長編『恐怖の谷』(1915)にホームズ最大の宿敵「ジェームズ・モリアーティ元数学教授」が登場。バンド名はこの男の名前から付けられたという説も。

●オスカー・ワイルド(1854〜1900)
ヴィクトリア朝時代を代表する英国の小説家、劇作家。代表作に、戯曲『サロメ』(1891)、小説『幸福の王子』(1888)。モリアーティのステージは、メンバー全員がそれぞれの役を演じていて、まるで演劇を観ているようだ。


影響を受けたもの

[ミュージシャン]
ビリー・ホリデイ、ペギー・リー、ジョニー・キャッシュ、カーター・ファミリー、ソニー・テリー、ジョシュ・ホワイト、フレッド・マクダウェル、ジョーン・バエズ、ボブ・ディラン、トム・ウェイツ、ブラー、ザ・フー、ジミ・ヘンドリックス、ザ・キュアー、U2、レディオヘッド、アリ・ファルカ・トゥーレ、クルト・ワイル、ドヴォルザーク、パーセル、アルヴォ・ペルト、ニーノ・ロータ…

[音楽のジャンル]
ジャズ、カントリー、ブルース、フォーク、ロック、アフリカ音楽、キャバレー・ミュージック、クラシック、現代音楽…

[人物]
マレーネ・ディートリッヒ(女優兼歌手)、ルイス・キャロル(作家)、ジョン・スタインベック(作家)、アーサー・コナン・ドイル(作家)、ジャック・ケルアック(作家)、オスカー・ワイルド(作家)、アンセル・アダムス(写真家)、マン・レイ(詩人)、マルクス兄弟(コメディアン)、フェデリコ・フェリーニ(映画監督)、デイヴィッド・リンチ(映画監督)

[その他]
「ジョーン・バエズがある晩につま弾いた1957年製のアコースティックギター」「アリ・ファルカ・トゥーレの演奏するドブロ」「過ちと誤解」「バンドメンバー同士の兄弟的な親愛の情と競争心」「トーンを抑えた言葉の暴力と怒り」「一体化して音楽を演奏するということに対する5匹の生物の熱烈な欲求」「背中に背負った荷物だけをよりどころに方々をめぐる旅」「誰しも愛情を持っているもの」「悪魔的な心」。