Sundog/insofar

サンドッグ
『insofar』

ペンギン・カフェの後継者、アーサー・ジェフスが放つポスト・クラシカル作。ヴァイオリニストのオリ・ランフォードと組んだユニット、サンドッグの1stアルバム。

発売日:2012年10月10日
解説:渡辺亨
アーサー・ジェフス(対訳付)
品番:VITO-114
定価:2,400円(税別)

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プロフィール/公演情報
ペンギン・カフェ
曲目リスト
01. 石に跳ねる光 Light On Stone
02. 4LB
03. 雨の日の、あなたへ For You, When It Rains
04. ボソ I Boso I
05. ボソ II Boso II
06. 待つ心・・・ The Heart Waits
07. 水面に映る影 Shadows In Water
08. パリーゼ〜ウェインランドに捧ぐ Parise (Song For Wayland)
09. マシェル Machell
10. 私は信じる...あなたの愛を Je Crois... que tu m'aimais
11. 現状崩壊 Things Fall Apart
12. ささやかな喪失 A Simple Loss
13. パーシー Perc'y
14. 両手をポケットに Both Hands In Pockets
内容紹介
 サンドッグはアーサー・ジェフスと、ヴァイオリニストのオリ・ランフォードによるプロジェクト。ユニット結成のきっかけは、ペンギン・カフェのアルバム『ア・マター・オブ・ライフ...』のレコーディング中に、アーサーが「自分のやりたい音楽はペンギン・カフェという枠の中だけには収まりきらない」と感じたことだったといいます。そうしてレコーディングに参加していたオリを誘ってサンドッグを結成、1stアルバム『insofar』が完成しました。
このアルバムでアーサーは、ペンギン・カフェの愛嬌あるオーガニック・サウンドとはまったく違う、美しく研ぎ澄まされた静謐な音世界を聴かせてくれます。あらゆる音楽に影響を受けてきたアーサーですが、作曲に関してはフィリップ・グラスらに代表されるミニマル・ミュージックの影響が大きいと語っており、ここでもピアノ、ヴァイオリン、ダルシトーン、ローズ、ハーモニウムといったアコースティック楽器を駆使し、ときにはエクスペリメンタルな音響細工も施しながら、ミニマル的な音楽が展開されています。
テクノと呼ばれる音楽が続々と生まれている。コンピューターやサンプラーがあれば、ミニマル・ミュージックの演奏は容易にすることができる。しかし、たとえテクノロジーを駆使して作られた音楽であっても、人間の存在が感じられる音楽もあれば、感じられない音楽もある。もちろん、手弾きのパートが含まれている音楽だと、人間味が感じられる場合が多い。こうした意味において、サンドッグの音楽には温もりが感じられる。人間の存在がひしひしと伝わってくる。  単純に分けると、ペンギン・カフェの音楽はアコースティック楽器のアンサンブルによるもの。一方、サンドッグの音楽はエレクトロニック。ただし、楽器自体はアコースティックなので、エレクトリックと呼ぶのは不適当だし、エレクトロニカでもない。また、音楽的にはペンギン・カフェよりミニマル・ミュージックや映画音楽的な要素の比重が大きい。これらのことがペンギン・カフェとの相違点だが、その一方で、サンドッグの音楽も、ペンギン・カフェの音楽と同じように既存のカテゴリーや時代、国籍を超越している。この『Insofar』は、ペンギン・カフェの『ア・マター・オブ・ライフ...』とヒラリー・ハーン&ハウシュカの『Silfra(シルフラ)』(2012年)の間に置くと、しっくりはまるような気がする。
(渡辺亨/ライナーより)