ケルト/アイルランドの文化を様々なジャンルから徹底紹介!
音楽、ダンス、食にアート、歴史や神話まで網羅した「ケルトの渦」へようこそ
ケルト文化は紀元前に誕生しました。
日本の縄文の文化とも共通する、自然に対する考え方、死生観、永遠に循環し変容し、継続する考え方は、今、私たちが暮らす21世紀にあって、何か大切なヒントを与えてくれるのではないかと感じています。
科学の発達により様々な便利さを追求し、ひたすら前に突き進んできた我々ですが、ケルト文化に触れることで、もう一度立ち止まって、自然とともに生きる世界を考えてみてはいかがでしょうか。
By Plankton
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「Gyre」(渦巻き、螺旋)――近代アイルランド文学を代表する詩人/劇作家W.B.イェイツが一種の神秘用語として用いたこの単語ほど、ケルト人の文化、ケルト人の歴史、ケルト人の死生観を端的に表象するマジック・ワードはないだろう。
螺旋模様は数千年にわたるケルト人の歴史の中で死滅と再生の循環、永遠の変容のシンボルとして描かれ続けてきた。それは求心を極めながら、同時に遠心をも目指す。始まりもなく、終わりもなく。
はるか昔、ローマ的論理や効率、システムに敗れたケルトは、しかし“ここではないどこか”を夢見るエグザイルとしての強烈なロマンティシズムと楽天性を抱えながら、たくましく、豊かに生きのびてきた。歌いながら、踊りながら、螺旋模様を描くように。そこには、今日なお世界を支配しているローマ的価値観とは相容れない、ひとつの叡智がある。
グローバリゼイションの美名の下、あらゆる意味での“貧しさ”が世界を覆いつつある今こそ、このケルト的叡智、賢さに改めて目を向けたい。
ケルティック・ジャイアにようこそ。
松山晋也(音楽評論家)