メンバー

スタッフ・ベンダ・ビリリ

コンゴ民主共和国の首都キンシャサで活動するバンド。元々、リッキーとココは、コンゴの人気ミュージシャンのサポートメンバーだった。しかし車椅子のせいで移動が手間取り、待合せ時間に遅刻がちで他のメンバーたちとの移動もままならなかったため、障害者だけでバンドをつくることを思いつき、ビリリを結成した。現在は、車椅子4名、松葉杖1名、健常者3名の8名がメンバー。


Rickyリッキー Ricky
(リーダー、ボーカル)
最年長。バンドの魂である美しいメランコリックな歌声の持ち主。人々に影響を与えるエネルギーと何が何でもバンドを存続させようとする強い意志を持ちミュージシャンをまとめる。外国人用のナイト・クラブの出口で、特製車椅子に乗りタバコやアニス酒を売る。昼間は、服の仕立て屋または機械工としても働く。基本的に眠らない男だ。女性が大好きで、2人の伴侶がいて、その1人は健常者。5人の子供を養う。とりわけ外見にこだわり、ツィードの帽子、黒いサングラス、艶のあるシャツを好み「人生で男は“スカ”(お洒落の意味)に見えなければ」と語る。夢は、子供達を学校にやる十分な稼ぎがあるようになったら、障害者・健常者に関わらずストリートミュージシャンのためにNGOを設立する事だ。
Cocoココ Coco
(ボーカル、ギター)
キンシャサでは、ココの特注車椅子スクーターの事は誰もが知っている。愛らしく素敵な歌声を持ち、ギターの名人。バンドの作曲家であり、リッキーとともにバンドの創始者の1人。機械工および溶接工でもある。7人の子供の父親であり、キンシャサ郊外の立派な家に住む健常者の女性と結婚している。家族を養う十分な稼ぎが得られた週末だけ家に戻る。1人分の授業料しか払えないため、子供達は交代で週一度学校に行く。彼は、インスピレーションの源であるストリートの賢明な観察者である。博識で控えめで、驚くべき肉体的強さを持つ。近隣で開催される腕相撲大会では定期的に優勝。彼は頻繁に言う。「音楽、それが自分の持つ全て。自分をきちんと生かしてくれる」。
Theoテオ Theo
(ボーカル、ギター)
ベース・プレーヤーで、ソプラノ・シンガー。ジェームズ・ブラウンとボブ・マーリーのファン。キンシャサの多くのラッパーと共演。政権階級の裕福な親戚を持つ家庭に生まれるが、モブツ独裁政権の崩壊により、彼の家族は全てを失った。健常者の兄妹達とストリートでの生活を余儀なくされる。テオは、仕立て屋だが、ゲットー1の電気技師でもある。町の貧しい地域の頻繁に電源が落ちる場所で、電線を引き、ストリート全体に電気を戻す事が出来る。懲りないばくち好きでもあり、いつも賭け事をしている。そのことは、いつもリッキーとの言い争いの元になっている。バンドからの収入が無い時、しばらくバンドを離れていたが、コンサート・ツアーが決まった時、リッキーがバンドに連れ戻した。
Junanaジュナナ DJunana
(ボーカル、ダンス)
ビリリの公式振り付け師である。ポリオの最も重い症状があるメンバーで、西洋医療の真のテスト・モデルとも言える。にも関わらず、自身の手であらゆることをこなす術を知っている。ギターを作り、他の障害者のため三輪車を作り、テレビ、ラジオを修理する。彼は地獄のような状況を生き抜いてきた。捨てられ、教会の人々の口車に乗せられ、失敗した手術に七転八倒して苦しみ、間に合わせの診療所を訪れた。しかし決してダンスと歌を止める事はなかった。映画の中で彼の存在は控えめだが、しばしばダンスを通じて表現される誠実で優れたユーモアは、彼が真の路上の生き証人である事を証明している
カボセ Kabose
(ボーカル)
ポリオの症状が他のメンバーに比べて軽い。車椅子にそんなに乗らずに、松葉杖で歩ける。彼はバンドのラップ・シンガーだが、必要とあれば、ソフトな歌声で歌うこともできる。彼はリッキーを父のように慕い、いつも彼に忠実である。
Rogerロジェ Roger
(サトンゲ、ボーカル)
14歳のときからリッキーに面倒を見てもらっている少年。音楽の天才。彼には家族があるが、生活のために学校に通えず、労働で得た賃金で家族を助けなければならなかった。彼は、自分の楽器サトンゲ(ブリキ缶に木の棒でつけ両端を金属ワイヤーで留めた1弦ギター)を7歳の時に自分で作った。彼以外の人間には、大変扱いの難しい楽器だ。彼は町中のギター奏者から教えを請うた。ビリリに出会う前は、キンシャサのシェゲ達と同じく、街を走り回り、暴力に囲まれていた。しかしロジェは音楽への情熱のため、非行に走る事はなかった。ビリリとともに、ロジェは家族を築き、自身の芸術を表現する機会を得た。やがて、一人のアーティストとしての地位を獲得した。

Randiランディ Randi
(パーカッション)
独特で直感的なタッチのパーカッショニスト。運命に遊ばれたストリートの子供。両親を失い、5歳で路上に投げ出された。彼はすべてを路上で学んだ。ビリリが彼を見つけ面倒を見始めたその日から、ランディはパーカッションとダンスに明け暮れる様になる。それでも日中は官庁街で靴磨きをしていた。彼の、より良い人生への渇望と、生来のリズムの才能が、彼をビリリのメンバーにした。アルバム録音の一部に参加したが、2007年に忽然と姿を消した。

カバリエ Cavalier
(ベース)
ビリリがリハーサルをしていた動物園で、彼らと出会う。彼はギターもベースも弾くが、バンドではベース担当になった。バンドの中で、おそらく最も温和で、何か問題が起きても、いつも落ち着き、バンドの面倒をよくみている。

モンタナ Montana
(ドラム、ボーカル)
おそらくキンシャサで最も巧いドラマー。彼は他のいろいろなバンドで演奏をしていた。しかし、以前のベンダ・ビリリのドラマーがコンゴを出て、フランスへ行ってしまったとき、モンタナがすぐにリハーサルに参加し、バンドを助けた。たちまち、ビリリの音楽に魅了され、レギュラーメンバーとなった。彼は愉快で、いつも明るいムードで、助けが必要なメンバーにはいつも親切だ。結束心が固い。コンサートでの彼の役目はとても重要で、どの曲をもよく理解しようと最も意識して努めている

BENDA BILILI!
Directors: Renaud Barret & Florent de La Tullaye
Script: Renaud Barret & Florent de La Tullaye
Cinematography: Renaud Barret & Florent de La Tullaye
Editing: Jean-Christophe Hym
Sound Renaud: Barret & Florent de La Tullaye
Sound Mix: Mikael Barre
Music: Staff Benda Bilili
Music Supervisor: Cubain Kabeya
Production: Screenrunner,Yves Chanvillard et Nadim Cheikhrouha La Belle Kinoise, Florent de la Tullaye et Renaud Barret
Co production: O.L. Production (Olivier Laffon), Studio 37
Project Coordination: Emmanuel Saunier
Color Grading: Nicolas Perret
Music Label: Les Editions de la Bascule, Strictly Confidential,Belle Kinoise, Crammed Discs
Band: Staff Benda Bilili

2010/France / 1:1.85 /Dolby SRD /1h27/Documentary

字幕:松岡葉子 原題:BENDA BILILI!
提供:プランクトン  配給:ムヴィオラ、プランクトン

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