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Maria del Mar Bonet
マリア・デル・マール・ボネット来日公演2003 |
現代スペインを代表する、マジョルカ島出身の大物シンガー・ソングライター
公演は終了しました |
2003年6月8日(日)東京 青山CAY
主催:アオラ・コーポレーション/プランクトン 協力:SGAE、Iberautor 後援:スペイン大使館 |
来日メンバー |
Maria del Mar Bonet (vocal) マリア・デル・マール・ボネット
Felie Gasull (guitar) フェリウ・ガスル
Javier Mas (12 strings guitar, flute) ハビエル・マス
Dimitri Psonis (perc, bozouki) ディミトゥリ・プソニス
Dani Espasa (kbd, piano and vo) ダニ・エスパーサ |
プロフィール |
マリア・デル・マール・ボネットは「海のマリア」という意味の名を持つ、現代スペインを代表するシンガー・ソング・ライターのひとりである。
1947年スペインのマジョルカ島に生まれた彼女は幼い頃よりバレアレス諸島の伝統音楽(マジョルカ島やメノルカ島の民謡など)に親しみ、地中海の自由な空気の中で歌うことを学んだ。
1967年、既にシンガー・ソング・ライターとして活動をしていた兄ジョアン・ラモンに勧められ、バルセロナでデビューするも、当時の政治的な状況下(フランコ政権は各地の方言の使用を禁じていた)で、彼女の母語であるカタルーニャ語で歌うことは、非常にリスクの高い行為であった。当時はノヴァ・カンソ運動(新しい歌の意、カタルーニャ語で歌うことを推し進めた学生や知識人たちの運動。ここから多くのスターが出た)が、勢いを持ち始め、彼女も彼らに賛同し行動を共にした。
その後は順調にキャリアを伸ばし、ミルトン・ナシメント(ブラジル)、アラン・スティービル(フランス)、ジャクソン・ブラウン(アメリカ)等と共演し、ユネスコのカンファレンスを始めとして、多くの重要なフェスティバルに参加、ヨーロッパ各国は言うまでもなく、アメリカ、カナダ、ロシアでも公演を行った。彼女の音楽性は、ルーツとなった地中海を囲む形の北アフリカ、ギリシャ、トルコなどの要素を取り入れたものである。各地の音楽ごとに歌い方、歌声さえも変えてみせる才能は、まさに「地中海の歌姫」の名に相応しいものだ。その容姿の美しさもさることながら、素晴らしい歌声、楽曲の完成度の高さは、マリア・デル・マールが真に実力のあるスターであることを知らしめてくれる。1974年にリリースしたアルバム“Maria
del Mar Bonet”のジャケットを、彼女を高く評価していた画家のジョアン・ミロが描いていることからも、その人気と実力のほどが伺える。
1997年に、バルセロナ行われたデビュー30周年記念コンサートには15,000人もの観客が集まり、カタルーニャ・テレビによって完全生中継された。3時間に及ぶコンサートには、国民的な歌手ジョアン・マヌエル・セラートを始めとした素晴らしいゲストが登場し、彼女を讃えた。この時の様子は2枚組のアルバム「時の心(BNSCD-801/2)」に収録されている。
2001年、好例となっていたバルセロナの王の広場におけるコンサートが25周年を迎え、記念アルバム「ライシャ(2003年3月発売)」をライヴ録音した。バックにジョアン・バレント率いる弦楽アンサンブルを配した格調高い内容になっている。また、このアルバム発売を記念して、バルセロナのパラウ・デ・ラ・ムシカ・カタラナ(カタルーニャ音楽堂。歴史的な建物で、ここでリサイタルを行うことは非常な名誉)でのリサイタルも実現させた。
共作も含めると、マリア・デル・マール・ボネットが今までにリリースしたアルバムは24枚に及び、1曲のみのコンピレーション盤も10枚は下らない。マリア・デル・マール・ボネットは、まさに、フラメンコだけではないスペインを、地中海に面したカタルーニャの音楽という形で表している最高のアーティストなのである。 |
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