Kepa Junkera (trikitixa)
Angel Unzu (guitars, mandolin)
Julio Andrade (bass, maracas)
Blas Fernandez (drums)
Harkaitz Martinez (txalaparta)
Igor Otxoa (txalaparta)
ヨーロッパ・フォーク/トラッド・シーンの重要人物としてその名を轟かせている、スペイン・バスク地方出身の天才トリキティシャ(ダイアトニック・アコーディオン)奏者。
87年のデビュー以降、伝統にとらわれないアドリブと速弾きを駆使した豪快なアコーディオン・プレイで、他ジャンル・ミュージシャンとの交流を精力的に行い、バスク音楽をユニバーサルなところまで持ち上げる。
2000年3月、過去8枚のケパの全アルバムからピーター・バラカン氏の選曲による、日本編集盤『トリッキー!』をリリース。同年5月には6人編成のバンドで初来日を成功させた。最新作は『maren』(2001/日本盤発売未定)。
ケパ・フンケラは1965年にスペイン北部のバスク地方、ビスカヤ県のビルバオに生まれた。子供の頃から情熱を傾けたトリキティシャ(ボタン式ダイアトニック・アコーディオン)はほとんど独学で学んだという。1983年、バスク伝統音楽を現代に甦らせたグループ、オシュコリのメンバーが、とてつもない技量を持つ18歳のトリキティシャ奏者に共演を申し込んだ。その時以来ケパ・フンケラはオシュコリのほとんどすべてのアルバムに参加、切っても切れない深い友情に結ばれた仲間となった。その後の活躍はディスク・ガイドにもあるとおりの地味ながら着実に自らの方向性を見極めたものといえる。フランコ政権後の70年代半ば以降、各地方の独自性を持った伝統文化が再認識され、80年代を経て、90年代に入りスペイン音楽は大きく様変わり見せ始めた。伝統音楽とその楽器をひっさげて中央に躍り出るアーティスト達が出現したのだ。現在のところの最新作でもある『ビルバオ、オラ・セロ』がいきなりゴールド・ディスクに輝く快挙を成し遂げた、ケパ・フンケラもその牽引車のひとりとなった。ケパが全国区の知名度を得たと同時に、彼の目指す伝統的ながら新しいバスク音楽そのものに対する人々の注目度も飛躍的にアップしたことは言うまでもない。この辺はガリシアのカルロス・ヌニェスとよく比較されるところだ。
文:時橋実実
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