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『ゲーム・オブ・スローンズ』の北アイルランド・ロケ地聖地巡礼が熱い!
世界大ヒットとなったファンタジー・ドラマ・シリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』のロケは、北アイルランド、マルタ、クロアチア、アイスランド、モロッコ、スコットランド、アメリカ合衆国、スペイン、カナダ、インドネシア、ブラジル、中国など世界中で行われています。
物語の中心となる一族、スターク家の居城、ウィンターフェル城は北アイルランドに現存する「キャッスル・ワード」でロケが行われ、また他にも多くのシーンが、北アイルランドがロケ地として使用され、近年『ゲーム・オブ・スローンズ』の北アイルランドのロケ地をまわる「聖地巡礼」コースが大人気のようです。ここでは、ドラマで使用された主な北アイルランド・ロケ地をご紹介します。
『ゲーム・オブ・スローンズ』とは
映画『ロード・オブ・ザ・リング』を彷彿とさせる架空の世界のウェスタロス大陸で繰り広げられる壮大な群像劇を描いたテレビドラマ・シリーズです。原作はアメリカ合衆国の作家ジョージ・R・R・マーティン著の全世界で1500万部を超えるベストセラーとなったファンタジー小説「氷と炎の歌」。アメリカのケーブルテレビ「HBO」が巨額な予算を投じて製作され、2011年から放送が始まり、2019年に完結するまで、全シーズン8(・全73話が作られ、海外テレビ・ドラマ史に残る大ヒット作となりました。作者マーティン氏は「指輪物語」に大きな影響を受けていると公言しており、本編に魔法使い、妖精、ドラゴン、異界の種族、ケルト人をモデルにした野人が登場するなど、至る所で「指輪物語」と共通するケルトの世界観が散りばめられています。
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『ゲーム・オブ・スローンズ』トレイラー
https://youtu.be/6CbDw3vou54
現在、日本盤DVD/Blu-RayZ(ワーナー・ブラザーズ)は発売中。
スター・チャンネルEX、
Hulu、
Amazon Primeなどで配信中。
小説「氷と炎の歌」(早川書房)
2020.10.15掲載
「ゲーム・オブ・スローンズ」北アイルランド・ロケ地めぐり
キャッスル・ワード周辺
キャッスル・ワード(Caslte Ward, Co. Down)
https://www.nationaltrust.org.uk/castle-ward
スターク家の居城「ウィンターフェル・キャッスル」(Winterfell Castle)。
一般にキャッスル・ワードとして知られる建物は18世紀のワード家の城館だが、ドラマに使用されたのはそこではなく、同敷地内にある貯蔵庫、家畜小屋、屠畜場として使用されたタワー・ハウス&ファーム・ヤードである。
登場シーン
【シーズン1:スターク家の「ウィンターフェル・キャッスル」】
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ナショナル・トラスト - キャッスル・ワード [Google Earth]
ストラングフォード湖(Strangford Lough)に面した300ヘクタールを超える広大な敷地内には森、水際の景色、中世の古城など物語の世界観に合った景色が豊富にあり、ウィンターフェル・キャッスル以外にも数多くのシーンがここで撮影された。全シーズン通して20か所のロケ地が集中しているという、ファンにとってはまさにウェスタロス!
登場シーン
【シーズン2・エピソード⑩】
女戦士ブライエニー・タースがジェイミー・ラニスターを木に縛り付けた森
実際の撮影に使用されたスターク家の衣装を着てロケ地をめぐる、ウィンターフェル・キャッスル・ツアーが人気。(要予約)
http://www.gameofthrones-winterfelltours.com/
オードリーズ・キャッスル(Audley's Castle)
上記キャッスル・ワード内にある15世紀築城のタワー・ハウス(見張りの要塞)。ドラマの双子城がこれ。数か所あるロブの野営地のひとつは城の横の緑地で、ロブ・スタークとタリサ・マイゲア(スターク)の結婚式は城のそばにある木の下で撮影された。
登場シーン
【シーズン1・エピソード⑧⑨、シーズン3・エピソード⑨】:双子城
【シーズン2・エピソード④⑥】:ロブ・スタークの野営地
【シーズン2・エピソード⑩】:ロブ・スタークとタリサ・マイゲア(スターク)の結婚式
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オードリーズ・キャッスル [Google Earth]
インチ・アビー(Inch Abbey, Co. Down)
https://discovernorthernireland.com/things-to-do/inch-abbey-p675371
12世紀建立のシトー会の修道院廃墟。中世には繁栄したが、16世紀に閉鎖され廃墟となった。
ここもロブ・スタークの野営地のひとつで、悲しい知らせを聞いたキャトリンが息子ロブに伝えに行くシーズン1最終章の重要なシーンが撮影された。スターク家の捕虜となったジェイミー・ラニスターが捕らえられていたのもここである。
登場シーン
【シーズン1・エピソード⑩】:ロブ・スタークの野営地
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インチ・アビー [Google Earth]
クィール川
廃墟のほとりを流れるクィール川(River Quoile)は、800年以降、ヴァイキングがここを拠点にアイルランド島にさかんに攻め入った場所でもある。アイルランドの守護聖人パトリックの墓所のあるダウン大聖堂(Down Cathedral)を対岸に臨むこの川岸で、シーズン3の遺体を船に乗せて流すタリー家伝統の葬儀のシーンが撮影された。
登場シーン
【シーズン3・エピソード③】:フォスター・タリーの葬儀
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クィール川 [Google Earth]
アントリム海岸道路沿い(ベルファースト~バリキャッスルを結ぶ海岸道路)
カーンロック・ハーバー(Carnlough, Co. Antrim)
風光明媚なシーニックドライブとして知られるアントリム海岸道路沿いの港町。シーズン6でアリア・スタークが海からはい上がる有名なシーンが、町のスーパーマーケット(Spar)向かいにある海へ下りる石段で撮影された。ドライブの休憩に立ち寄るのに良い。
登場シーン
【シーズン6エピソード⑦】
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カーンロック・ハーバー [Google Earth]
クッシェンダンの洞窟(Cushendun Cave, Co. Antrim)
アントリム海岸道路沿いの、グレンダン川(Glendun River)の河口に開けた静かな町。
海に突き出した岩場に4億年前に形成された洞窟や浜辺があり、メリサンドルが黒の影を生む不気味なシーン(シーズン2)、エイロン・グレイジョイ終焉のシーン(シーズン8)がここで撮影された。
登場シーン
【シーズン2エピソード④, シーズン8エピソード⑤】
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クッシェンダンの洞窟 [Google Earth]
★コーズウェイ海岸道路と周辺(世界遺産ジャイアンツ・コーズウェイ周辺)
フェア・ヘッド(Fair Head, Co. Antrim)
アイルランド島の北東の角を成す高さ200メートル近い断崖。パイプオルガンを連想させる柱状の岩が垂直に連なり、ロッククライミングの難所としても知られる。コーズウェイ海岸沿いのバリキャッスル(Ballycastle)からバリントーイ(Ballintoy)にかけて見晴らすことが出来る。(登るのは大変)
ジョン・スノウがたたずむ断崖シーンなど、シーズン7のドラゴンストーンの一部シーンはここで撮影された。
登場シーン
【シーズン7エピソード③⑤⑥】
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フェア・ヘッド [Google Earth]
ラリバーン(Larrybane, Co. Antrim)
白亜の石灰岩の岩肌が印象的な石切り場跡地。吊り橋の名所キャリクアリーディ、フェア・ヘッド、ラスリン島、シープ・アイルランドなどコーズウェイ海岸を一望することが出来る。
シーズン2のレンリーの野営地(レンリーとマージェリーがサー・ロレスとブラエニの決闘を見るシーン)、シーズン6の鉄諸島の王選出の大会議がここで撮影された。
キャリクアリーディ吊り橋の駐車場よりアクセス可。
登場シーン
【シーズン2エピソード③】【シーズン6エピソード⑤】
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ラリバーン [Google Earth]
バリントーイ港と海岸(Ballintoy Harbour & Beach, Co. Antrim)
https://discovernorthernireland.com/things-to-do/ballintoy-harbour-p691281
ドラマの主要ロケ地のひとつ。シーズン2のヤーラ・グレイジョイが船を探すシーンで初登場する、鉄諸島の王都ローズポートはここである。今は小さな漁港だが、19世紀には近隣の石切り場から運ばれる石灰岩を乗せた船がアイルランド島内、スコットランドへ向けて盛んに出航するにぎやかな港だった。港の脇には当時の石窯も残る。
港に隣接するビーチでも多くのシーンが撮影されている。シーズン6の鉄諸島のパイク(グレイジョイの葬儀、ユーロン・グレイジョイがが王になる水没の儀式)、シーズン4、8のドラゴンストーンの浜辺がここ。ここから見えるシープ・アイランドも様々なシーンの背景に頻出している。
登場シーン
【シーズン2エピソード②③】 港
【シーズン4エピソード②、シーズン6エピソード②⑤、シーズン8エピソード④⑤、シープ・アイランド→シーズン2エピソード②、シーズン3エピソード③、シーズン8エピソード⑤】 ビーチ
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バリントーイ港 [Google Earth]
バリントーイ港
バリントーイ海岸
シープ・アイランド
ダーク・ヘッジズ(Dark Hedges, Co. Antrim)
18世紀の邸宅グリーンヒル・ハウスへ至る道に植えられたブナの木の街路樹。年月を得て道に覆いかぶさるように成長した姿は自然のトンネルさながら。夕暮れ時には「グレイ・レイディ」と呼ばれる幽霊が出るとの伝説も。
シーズン2でキングスランディングを後にするアリヤ・スタークが荷馬車の後ろにすわって通過するキングズロードがここ。短いシーンながら一度見たら忘れられないインパクトで、ドラマがきっかけで一大名所となった。
【シーズン2エピソード①】
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ダーク・ヘッジズ [Google Earth]
★カウンティー・デリー/カウンティー・ファーマナ
ポルナゴルムの洞窟(Pollnagollum Cave, Co. Fermanagh)
シーズン3でアリヤとジェントリーが目隠しをされて「旗標なき兄弟団」に連れて来られる彼らのアジト、ホロウ・ヒル(Hollow Hill)がここ。
アイルランド島に3か所あるユネスコ世界ジオパーク内(登録名は「マーブルアーチ洞窟(Marble Arch Caves)」)にある。洞窟は落差12メートルの滝壺にあり、アクセスは危険を伴うため推奨されないが、水量の少ない時には滝見学のプラットフォームより洞窟入り口が見える。滝見学を兼ねた7キロ(約2時間)のウォーキング・ルートが整備されている。
登場シーン
【シーズン3エピソード④】
番外編
ベルファースト市内
グラス・オブ・スローンズ(Glass of Thrones)
2019年4~5月、シーズン8(完結編)の世界同時放送中に、各エピソード放送ごとにベルファーストの街中にひとつづつ設置されていった6つの巨大ステンドグラス。ドラマの登場人物やストーリーにちなむデザインとなっている。シティ・ホールからドラマの撮影所であったタイタニック・スタジオまでの間に点在。ドラマ放送と同時進行でロケ地・北アイルランド観光を盛り上げた。
Glass of Thrones Trail Map
(将来的にタイタニック・スタジオが展示館として一般公開されるという話があり、それが現実となった場合にはそちらへ移される可能性あり)
ゲーム・オブ・スローンズにちなむ取り組み、ギフトなど
ゲーム・オブ・スローンズの「ドア」と「パスポート」
https://www.ireland.com/what-is-available/ireland-on-screen/game-of-thrones/destinations/northern-ireland/county-antrim/articles/doors/
2016年1月のストーム(嵐)により、ドラマの人気ロケ地であるダーク・ヘッジズの樹齢200余年のブナの巨木2本が倒れた。倒木はシーズン6の10エピソードそれぞれのストーリーを彫刻した10枚の美しいドアに生まれ変わり、北アイルランド各地に点在するロケ地近郊のパブ、ホテル、カフェに設置されている。ドアのある施設では「ゲーム・オブ・スローンズの旅パスポート(Journey of Doors Passport)」を無料配布しており、訪問するとスタンプを押してもらえる。
ゲーム・オブ・スローンズのジュエリー
https://www.thesteensons.com/game-of-thrones-1
18世紀創業の北アイルランドの老舗クラフト・ジュエリー・メーカー、ステーンソンズ(Steensons)作のゲーム・オブ・スローンズのジュエリー・シリーズ。工房はグレンアーム(Glenarm, Co. Antrim)だが、ベルファースト市内の専門店で購入できる。
ロケ地めぐりに役立つアプリ(優れモノです!)
Game of Thrones NI Locations
山下直子 プロフィール
アイルランド公認ナショナル・ツアーガイド。長野県上田市出身、2000年よりアイルランド在住。趣味はサーフィン、バラ栽培、ホロスコープ読み、子供の頃からのライフワーク『赤毛のアン』研究。
本記事の関連情報は、
naokoguideが現在以下で連載しているブログ「ナオコガイドのアイルランド日記」でも紹介されています。
http://naokoguide.com/
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